「世界遺産検定」近現代建築編
こんにちは。みやです。
世界遺産検定を受けようと思っているので、勉強のついでにまとめたいと思います。
- ブラジリア
- メキシコ国立自治大学(UNAM)の中央大学都市キャンパス
- シドニーのオペラハウス
- ブルノのトゥーゲントハート邸
- バウハウス関連遺産群:ヴァイマールとデッサウ、ベルナウ
- ベルリンのモダニズム公共住宅
- ファン・ネレ工場
- アントニ・ガウティの作品群
- 建築家ヴィクトール・オルタによる主な邸宅(ブリュッセル)
- スク―グスシルコゴーデンの森林墓地
ブラジリア
登録年1987年 登録基準ⅰ、ⅳ
ブラジリアは、リオ・デ・ジャネイロからの遷都を目的として1960年に完成した計画都市です。
ポルトガル植民地時代から、ブラジルでは大都市がある大西洋沿岸部と北東部を含む内陸地域との人口的、経済的格差が問題となっており、ジュセリーノ・クビチェック大統領はこの問題を解決すべく内陸部への遷都を計画しました。
ル・コルビュジェに師事した建築家オスカー・ニーマイヤーが計画の中核を担い、ルシオ・コスタ提案の上空から見ると飛行機形になるパイロット・プランに沿って斬新なデザインの主要建築物を設計しました。
メキシコ国立自治大学(UNAM)の中央大学都市キャンパス
登録年2007年 登録基準ⅰ、ⅱ、ⅳ
メキシコ革命後の近代化運動を受け、マリオ・パ二とエンリケ・デル・モラルの設計で中央大学都市キャンパスが1952年に建てられました。
60名を超える建築家や芸術家の協力のもと大学施設に加え博物館や映画館、スーパー、ラジオ局まで含む、都市機能をもった巨大キャンパスが完成しました。
デザインはメキシコの「壁画運動」とも関係し、J.オゴルマンやD.リベラ、A.シケイロスなどの著名な芸術家により大学施設などにアステカなどの先住民文化やメキシコの歴史をモチーフとしたメッセージ性の強い壁画が数多く描かれました。
シドニーのオペラハウス
登録年2007年 登録基準ⅰ
シドニー湾の先端にある「シドニーのオペラハウス」は、建築家ヨーン・ウッツォンによる斬新なデザインで知られるコンサート・ホールです。
土台部分をシェルと呼ばれる屋根が覆った曲線的なシルエットをもち、着工からおよそ14年の歳月を費やして1973年に完成しました。
風景と調和したその姿は、20世紀を代表する建築物として世界的にも高く評価されています。
ブルノのトゥーゲントハート邸
登録年2001年 登録基準ⅱ、ⅳ
チェコ南東部の都市ブルノにあるトゥーゲントハート邸は、ドイツ人建築家ミース・ファン・デル・ローエの設計によって1930年に完成した住宅です。
傾斜地に立つ2階建てで、上階には玄関や個室、下階にはリビングや食堂があります。
また、庭に面する壁面は総ガラス張りになっており、部屋の間仕切りには大理石が用いられています。
建設当時に流行していたモダニズムをベースに、斬新な空間設計、建築素材と機能美を追求して生み出された空間は、のちの住宅建築に多大な影響を与えました。
バウハウス関連遺産群:ヴァイマールとデッサウ、ベルナウ
登録年1996年/2017年範囲拡大 登録基準ⅱ、ⅳ、ⅵ
ドイツ中部の都市ヴァイマールとデッサウ、ベルナウには1919年に開設された総合造形学校バウハウスの校舎などが残ります。
初代校長ヴァルター・グロピウスは、バウハウス開校の際に「すべての造形活動の最終目標は完璧な建築にある」と宣言しました。
絵画、彫刻、手工業などの工房技術を建築芸術に結集することを目指しました。
ベルリンのモダニズム公共住宅
登録年2008年 登録基準ⅱ、ⅳ
ドイツの首都ベルリンには、20世紀前半のヴァイマール共和国時代に建設された近代的な公共住宅群が残り、そのうちの6棟が世界遺産に登録されています。
ブルーノ・タウトやマルティン・ヴァグナー、ヴァルター・グロピウスといった一流の建築家たちが手がけたこれらの建物は、都市計画や建築手法、公園設計などの点で斬新なアプローチがなされており、世界中の公共住宅のモデルとなりました。
ファン・ネレ工場
登録年2014年 登録基準ⅱ、ⅳ
1920年代にロッテルダム北西に建てられたファン・ネレ工場は、「理想の工場」を標榜して設計された20世紀を代表する工業建築です。
鋼鉄とガラス製の巨大なカーテンウォールは採光に優れ、暗くなりがちな工場の労働環境を明るく快適にしました。
快適な環境と効率的な生産・輸送を可能にするインフラによって、両大戦間期におけるモダニズムと機能主義文化を象徴する工場とされています。
工場ではコーヒーや紅茶、タバコなどを熱帯地域から輸入し、生産加工と包装を行い、ヨーロッパ各国へと輸入していました。
アントニ・ガウティの作品群
登録年1984年/2005年範囲拡大 登録基準ⅰ、ⅱ、ⅳ
19世紀から20世紀初頭にかけてモデルニスモが開花したカタルーニャ地方の州都バルセロナには、「孤高の天才」と呼ばれた建築家アントニ・ガウティ・イ・コルネが残した数多くの建造物が点在します。
世界遺産には、カサ・ミラ、グエル公園、グエル邸、サグラダ・ファミリア贖罪聖堂の一部、カサ・ヴィセンス、カサ・バトリョ、コロニア・グエル聖堂の地下聖堂の7件が登録されています。
ガウディの建築物は、波のような曲線を描く独特のフォルムや破砕タイルによる美しい細部の装飾が特徴です。
ガウティは「美しい形は構造的に安定している」「自然のなかにすべての教科書がある」という哲学のもと、植物や生物の形から着想を得てデザインを生み出しました。
屋上にキノコのような煙突をもつカサ・ミラや竜をイメージさせるカサ・バトリョ、またはガウティの才能を見出し一番の後援者となった実業家グエルとともにつくり上げた、グエル公園にあるトカゲの噴水など至るところに自然賛美の精神が表れています。
なかでもガウディの集大成とされるのが、着工から130年を経た今も建設途中であるサグラダ・ファミリア贖罪聖堂です。
「聖家族」の意味をもつこの教会は、世界遺産としては現在のところ完成済みの「誕生のファサード」と地下聖堂のみが登録されています。
「誕生のファサード」に施された天使の楽団の彫像は日本人の主任彫刻家、外尾悦郎氏が制作の指揮をとり、2000年に完成させたものです。
建築家ヴィクトール・オルタによる主な邸宅(ブリュッセル)
登録年2000年 登録基準ⅰ、ⅱ、ⅳ
ベルギーのブリュッセルには、19世紀末から20世紀にかけて建築家ヴィクトール・オルタによって建てられた邸宅が残ります。
そのうち4棟が世界遺産に登録されており、最も古い時期に建築されたタッセル邸には、当時の新素材であった鉄とガラスが大胆に使われています。
石造りが主流の時代に鉄やガラスを積極的に用いた構造や植物的な曲線装飾を取り入れたこれらの邸宅は、多くの建築家に衝撃を与えアール・ヌーヴォーの先駆けとなりました。
スク―グスシルコゴーデンの森林墓地
登録年1994年 登録基準ⅱ、ⅳ
スウェーデンの首都ストックホルム南部にある森の墓地スク―グスシルコゴーデンは、自然と建築の調和を追求した共同墓地です。
1914年、ストックホルム市は地勢を活かした墓地建設の国際建築コンペを開催しました。亡くなった人が森に還るという北欧の森林文化に基づいたグンナル・アスプルンドとシーグルド・レーヴェレンツの案が勝利し、1917年に建設が始まりました。
1940年に「森の火葬場」や3つの礼拝堂が竣工し、松林を基調とした自然と建築とが調和する墓地が完成しました。
不規則な自然を取り入れる設計理念は20世紀の景観設計に影響をもたらしました。