「世界遺産検定」文化的景観編 2級レベル

こんにちは。みやです。

世界遺産検定2級を受けたので覚えたほうがいいと思うところをまとめたいと思います。

 

文化的景観の概要と文化的景観として認められている遺産の名前を覚えておけばいいと思います。

 

文化的景観

文化的景観は1992年に採択されました。

人間が自然と共につくり上げた景観を目指す概念です。

文化遺産に分類されますが、文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産といえます。

はじめて文化的景観の概念が適用された遺産は、1993年に「トンガリロ国立公園」です。

 

文化的景観の3つのカテゴリー

意匠された景観:庭園や公園、宗教空間など、人間によって意図的に設計され想像された景観

有機的に進化する景観:社会や経済、政治、宗教などの要求によって生まれ、自然環境に形成された景観

関連する景観:自然の要素がその地の民族に大きな影響を与え、宗教的、芸術的、文学的な要素と強く関連する景観

 

紅河ハ二族棚田群の文化的景観

ハ二族の棚田群は、中国南部の傾斜のきつい斜面に広がっており、世界最大規模を誇ります。

農耕の難しい山岳地帯の狭い峡谷で生活している少数民族のハ二族は、自然環境を利用した独自の灌漑システムをもつ棚田群をつくり上げ、1300年にわたって棚田と伝統的な生活を守り続けてきました。

 

ハ二族にとって森林は神が宿る神聖な地でもあることから、長年森林を保護してきました。

「森林」と「水系」、「棚田」、「村」の四つの要素からなる生態学的に優れた循環型灌漑システムをつくり上げています。

また、棚田の耕作にかかわる祭礼を年中執り行うなど、棚田と結びついた独自の文化を形成しています。

 

リュウゼツランの景観とテキーラ村の古式産業施設群

メキシコ中部のテキーラ地方には200~900年頃にかけて発展した先住民族のテウチトラン文化の遺跡と18世紀に建設されたテキーラ蒸留酒施設が混在した景観が広がっています。

2000年以上前から先住民族によってアオノリュウゼツランが栽培され、発酵飲料や織物の原料として用いられました。

 

コロンビアのコーヒー農園の文化的景観

アンデス山脈中西部の山麓にある18の都市と6ヵ所の農業地帯では、100年を超えて受け継がれてきたコーヒー栽培の営みを示す文化的景観が見られます。

 

メイマンドの文化的景観

イラン中央山脈南端の渓谷に位置するメイマンドの村では、半乾燥地帯における自給自足の生活が営まれています。

住居を中心とした文化的景観は、厳しい乾燥地帯の環境を生き抜く人々の知恵と、家畜ではなく人間が移動する独自の生活様式を伝えています。

 

ラヴォ―地域のブドウ畑

スイスのラヴォ―地域では、カトリック修道会のベネディクト会とシトー会の指導のもと、11世紀からワイン生産が続いています。

急斜面のブドウ畑の間に民家やワイン工場が点在し、アルプス山脈をあおぐワイン産地を生み出しています。

 

アルト・ドウロのワイン生産地域

ポルトガル北部、ドウロ川上流に位置するアルト・ドウロ地域は2000年以上のブドウ生産の歴史をもつワインの生産地です。

この地で生産されたブドウの搾り汁はドウロ川下流の都市ポルトに運ばれポート・ワインとなります。

 

オリーヴとワインの土地-バティールの丘:南エルサレムの文化的景観

エルサレム南部に位置するバティールの丘には、石造りの段々畑が続く渓谷の景観が広がります。

イスラエルがこの地に分離壁の建物を計画していることなどから、緊急的登録推薦で登録されました。

 

ビニャーレス渓谷

キューバ最西端のビニャーレス渓谷は、モゴーテ(断崖)と呼ばれる石灰岩の岩山や洞窟が点在する渓谷に、伝統的な農業風景が広がる地域です。

モゴーテは大きなものでは高さ300mにもなり、先住民族の住居や奴隷の隠れ家として用いられた洞窟では、岩絵や鍾乳石をみることができます。

 

聖山スレイマン・トー

キルギス初の世界遺産となったスレイマン・トーは、特徴的な形から長年にわたりシルクトードの旅人にとって灯台の役割を果たした聖山です。

古くから民間信仰とイスラム教信仰が混在し、宗教的儀礼が行われた場所も多くあります。

 

リヒタースフェルドの文化的及び植物学的景観

南アフリカにあるリヒタースフェルドは、山がちな砂漠地帯であるものの、多彩な植物が生息しています。

この地に暮らすマナ族は自然環境を2000年以上にわたって有効活用し、半遊牧民的な生活を営んできました。

季節ごとの遊牧地ほか、イグサで編んだ簡易式の住居なども景観に含まれます。

 

トンガリロ国立公園

1894年にニュージーランド初の国立公園に指定されたトンガリロ国立公園は、火山地帯特有の景観が広がっています。

この一帯は、ニュージーランドの先住民族マオリの聖地として長年守られてきました。

当初は自然遺産として登録されたが、マオリとの文化的なつながりが認められ、1993年に複合遺産になりました。

 

杭州にある西湖の文化的景観

杭州市の中心部に位置する西湖の周辺一帯は、9世紀の唐依頼、風光明媚な景観が白居易など多くの文人墨客を引きつけてきました。

西湖の周辺には中国の歴史ある寺廟や楼閣、庭園などが数多く存在し、湖に浮かぶ3つの島や2カ所の堤防などが、絵画的な眺望を演出しています。

西湖の景観は日本や韓国の庭園設計にも影響を与えてきました。

 

英国の湖水地方

イングランドの北西部に位置するこの地域は、多くの山や氷河期に形成された渓谷からなります。

石垣の壁で土地を囲むという英国の田園地域に特徴的な風景が広がっており、自然と人間の営みが調和した美しく独特な景観をつくり上げてきました。

「ピーター・ラビット」の舞台にもなっています。

 

リオ・デ・ジャネイロ:山と海に囲まれたカリオカの景観

ブラジル南東部にあるリオ・デ・ジャネイロは、急峻な山とコパカバーナに代表される海岸に挟まれた独特な景観が都市景観が特徴です。

ポルトガル・ブラジル連合王国以降、1960年に「ブラジリア」に首都が移るまで歴代の首都でした。

コルコバードの丘には1931年のブラジル独立100周年を記念してキリスト像が建設されました。

 

ムスカウ公園/ムジャクフ公園

ドイツとポーランドの国境を流れるナイセ川の両岸に広がるムスカウ公園(ドイツ)とムジャクフ公園(ポーランド)は、19世紀にムスカウ侯爵によってつくられました。

もともとはひとつの公園で、第二次世界大戦後に国境で分断されました。

 

例題

次の遺産のうち文化的景観の概念が適用されている遺産はどれか選べ。

1、ベルギーとフランスの鐘楼群

2、トンガリロ国立公園

3、イエローストーン国立公園

4、福建土楼群

 

 

 

                              答え2

1の「ベルギーとフランスの鐘楼群」は、シリアルノミネーションサイトの概念が用いられている遺産です。

3の「イエローストーン国立公園」は、世界初の国立公園として設立され、1978年に世界で最初に登録された世界遺産のひとつです。

4の「福建土楼群」は、トランスバウンダリーサイトの概念が用いられている遺産です。

 

世界遺産検定2級の公式テキストを参考にしています。

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